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U-Ⅱのレベル検出回路。オペアンプのお話。

今日はレベル検出回路と演算増幅器のお話。

◯レベル検出回路について
 U-Ⅱは大まかに言いますと音声信号回路とレベル検出回路の2つで構成されています。音声信号回路は「U-Ⅱの音質の秘密その1」で取り上げましたいわゆるアナログな音声信号、例えばベースの音ですとかギターの音をコントロールする回路です。レベル検出回路とは音声信号を直流電流信号に変換し、ゲインリダクション動作をするアナログフォトカプラーを駆動する回路です。

 レベル検出回路は信号変換が目的ですから音質に拘ったパーツは必要ありません。回路基板ごとのバラツキを抑えるために精度のほうが大切ですが、抵抗、コンデンサともに誤差5%のもので十分です。使用するオペアンプもFET入力であるということだけ。基板も普通のプリント基板で大丈夫という考えでした。ところが試作を繰り返すうちに次のことがわかりました。

1.プリント基板とユニバーサル基板によるPtoP配線では動作に差がある。
2.使用するオペアンプで音が変わる。

1の原因はプリント基板のパターンの薄さに起因するものでした。アナログフォトカプラのLEDを駆動する電流はピークで約20mA、それがパルシブな動作を必要とします。そうなると電源周り、LED駆動周り、ピークホールド回路周りに「瞬間的な大電流」が流れることになります。PtoP配線は銅単線を使用しますから十分なのですがプリント基板の銅箔では貧弱なのです。解決法としてパターンの必要部分に0.8mm銅単線で裏打ちを施しました。
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2の原因も根本の部分は1と似ています。「瞬間的な大電流」を供給できるかと言うのがポイントです。オペアンプの仕様で「出力電流が大きいもの」、「動作が速いもの(スルーレートが高いもの)」を満たすものを使用するとコンプ動作が自然になり出音も良くなります。U-Ⅱでは各社からサンプルを取り寄せ、動作が安定し音質が良くなるものを選定しました。
 結果的に2回路入りオペアンプを4個も使用することになりました。電源容量が必要になりますがそのお話はまた別の機会に取り上げたいと思います。

◯演算増幅器について
ここからは少し余談になります。演算増幅器とはオペレーショナルアンプリファイアーのことでオペアンプと呼ばれます。回路構成は様々なものがありますが一般的に差動増幅段・中間増幅段・出力段で構成され、シリコン基板の上に全て作り込まれモノリシックICとして1つのパッケージングにされます。もちろんオペアンプはディスクリート部品でも作ることが出来ます。
 IC化されたオペアンプは動作が安定、小型、選択肢が多い等の利点があります。ディスクリートで作られたオペアンプは設計が自由、音が良い(設計による)等の利点があります。エフェクタ界隈や一部オーディオ界隈ではICよりディスクリートの方が高級で高音質と考えられており有難られる傾向があります。ところが最近は産業用でもオーディオ的に素晴らしい動作をするICが増えており適切な外付け部品を使用するとディスクリートに負けない音質を作ることが出来ます。また、歪物のエフェクタでは古い設計のICの方が出音がエモーショナルな場合もあります。
 ディスクリートを謳い文句にした製品も多くありますが適材適所であると私は考えます。実際ディスクリートではあるものの、レイアウトやパーツセレクト、配線材の選択や取り回しが悪く、オペアンプを使用したものよりナローレンジで音質の悪い物もあるようです。IBBI、TOGではICとディスクリート回路をバランス良く使用し、全てのバランスやクオリティを上げる選択をしています。

 能書きが長くなりましたが、出音が全てです。弊社の製品をお手にとる機会がございましたら是非お試しください。
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